特別展「藤田嗣治 本のしごと 日本での装幀を中心に」
千代田区立日比谷図書文化館では、世界的な画家、藤田嗣治がフランスと日本で、とくに日本において手がけた挿画本や装幀、さらに雑誌の表紙画など多岐ににわたる「本のしごと」を中心に紹介する展覧会を開催します。日本での装幀の仕事が一堂に会す初の展覧会です。
1913年にパリに渡った藤田嗣治(1886-1968年)は、パリ画壇でのゆるぎない地位を確立すると同時に、挿画本興隆の時代のなかで精力的に挿画本の制作に取り組みました。その後1933年から日本に定住した藤田は1949年に日本を離れるまでの間、文学者、詩人、文化人たちと協働し、挿画本の仕事を続けました。 本展ではその1920年代から40年代まで、藤田にとって二つの祖国ともいえるフランスと日本において、とくに日本で藤田が手がけた「本のしごと」を中心に紹介します。
また、1937年から44年までを過ごした麹町区六番町(現千代田区六番町)のアトリエでの暮らしにもスポットをあて、写真家土門拳が撮影した当時の貴重な記録も紹介する予定です。一冊の「本」という空間のなかに、油彩画に表現されているのと同じ、あるいはそれ以上に凝縮された藤田の才能と世界観を明らかにします。
開催概要
- 会期:2013年4月4日(木曜日)から6月3日(月曜日)
休館日:4月15日(月曜日)、5月20日(月曜日) - 観覧時間:平日 午前10時から午後8時、土曜 午前10時から午後7時、
日祝 午前10時から午後5時 (入室は閉室の30分前まで) - 会場:千代田区立日比谷図書文化館 1階特別展示室
- 観覧料:一般300円、大学・高校生200円
千代田区民・中学生以下、障害者手帳をお持ちの方 および付き添いの方1名は無料
住所が確認できるもの、学生証、障害者手帳をお持ちください。 - 主催:千代田区立日比谷図書文化館
- 企画協力:林洋子(京都造形芸術大学准教授)、株式会社キュレイターズ
展示構成
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フランス時代の装幀・挿絵の仕事
フランスでの装幀の仕事の中から、特に日本に関するものを中心に紹介 -
日本での装幀の仕事
「文学者たちとの交流」「詩人たちとの協働」「婦人雑誌の表紙絵」などを紹介 -
千代田区六番町、藤田のアトリエ
千代田区六番町にあった藤田のアトリエを取り上げるとともに、写真家土門拳が撮影した貴重な記録写真もあわせて紹介 -
ふたたびフランスへ
戦後の豪華装丁本の仕事を紹介
関連イベント
トークイベント <終了しました>
「挿絵本の黄金時代と藤田嗣治」
日 時:5月18日(土曜日)午後2時から3時30分(午後1時30分開場)
場 所:日比谷図書文化館 4階 スタジオプラス(小ホール)
海野弘(美術史家)
定 員:60名程
参加費:無料
ギャラリートーク<終了しました>
「藤田嗣治 本のしごと」
日 時:5月19日(日曜日)午後2時から2時45分
場 所:日比谷図書文化館 1階 特別展示室
講演者:林 洋子(京都造形芸術大学准教授)
定 員:20名程
参加費:無料
ギャラリートークは事前予約不要。希望の方は当日、利用券購入のうえ時間までに特別展示室内に集合。
当館では、藤田の日本での装丁を中心とした本の仕事を紹介する展覧会となっておりますが、この他フランスでの本の仕事や藤田の代表的な乳白色の油彩画が見られる展覧会が開催されるなど、この時期、藤田渡仏100年を記念した展覧会が各所で行われていますのでご紹介します。
- 『Paris、パリ、巴里─日本人が描く 1900-1945』展
2013年3月23日から2013年6月9日 ブリヂストン美術館 - フジタの限定豪華本コレクション『レオナール・フジタの挿絵本』展
2013年4月3日から6月30日 東京富士美術館 - 『藤田嗣治 渡仏100周年記念 レオナール・フジタとパリ1913-1931』展
2013年4月20日から6月23日 静岡市美術館 - 『北國新聞創刊120周年記念 レオナール・フジタ展 ポーラ美術館コレクションを中心に』
2013年4月26日から5月24日 金沢21世紀美術館(市民ギャラリーA)
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